アデノウイルスについて

アデノウイルスは、子どもから大人まで感染することがあるウイルスです。発熱やのどの痛み、目の充血などを伴う「咽頭結膜熱」や、目の症状を中心とする「流行性角結膜炎」のほか、呼吸器症状や胃腸炎など、さまざまな症状を引き起こすことがあります。

アデノウイルスには多くの型があり、感染したウイルスの型などによって現れる症状も異なります。そのため、「アデノウイルス=プール熱」だけではありません。

手指やタオルなどを介した接触感染も重要な感染経路となるため、石けんと流水による手洗いや、身の回りの物を共用しないことなど、日常の基本的な感染対策が大切です。

アデノウイルスとは?

アデノウイルスは、アデノウイルス科に属するDNAウイルスです。多くの型が知られており、感染する型によって、のど、目、呼吸器、消化器などさまざまな部位に症状が現れることがあります。

国立健康危機管理研究機構(JIHS)では、アデノウイルスによって起こる病気として、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎、呼吸器疾患、胃腸炎、出血性膀胱炎などを紹介しています。

特に子どもでみられることが多い感染症もありますが、流行性角結膜炎のように大人を含む幅広い年齢層でみられるものもあります。

代表的な病気と症状

発熱、目の充血、のどの痛みなどの主な症状を示すイラスト

アデノウイルスによる病気の一つに「咽頭結膜熱」があります。発熱、のどの痛み、結膜の充血などが主な症状で、かつてプール利用時の接触やタオルの貸し借りなどを通じて流行することがあったことから、「プール熱」と呼ばれることもあります。

  • 発熱
  • のどの痛み
  • 頭痛や全身のだるさ
  • 目の充血
  • 目やに

また、「流行性角結膜炎」もアデノウイルスによって起こる感染症です。目の充血や目やに、涙が多くなる、まぶたが腫れるなど、目を中心とした症状がみられます。

アデノウイルスにはさまざまな型があるため、感染したからといって、すべての人に同じ症状が現れるわけではありません。

手指を介した接触感染に注意

手指やドアノブを介して感染が広がるイメージ

アデノウイルスによる感染症では、飛沫感染に加えて、手指を介した接触感染が重要な感染経路となります。

例えば、感染した人が目や鼻、口などに触れた後、その手で周囲の物に触れることでウイルスが付着し、別の人がその場所に触れた手で自分の目や鼻、口に触れることがあります。

特に流行性角結膜炎では、ウイルスに汚染された手指やタオルなどの共用物を介した接触感染が主な感染経路とされています。

家庭や学校、保育施設など、複数の人が同じ物に触れる環境では、手洗いとともに共用品の扱いにも注意が必要です。

タオルや目に触れる物は共用しない

タオルを共用せず一人ずつ分けて使うイラスト

アデノウイルスによる結膜炎が疑われる場合は、顔や目を拭くタオルなどを家族や周囲の人と共用しないことが大切です。

  • タオルやハンカチを共用しない
  • 洗面用品をできるだけ共用しない
  • 目を触った後は手を洗う
  • 点眼液など目に直接触れる物は個人用とする

目の症状があると、無意識に目をこすったり触ったりする機会も増えます。目に触れた後の手にはウイルスが付着している可能性があるため、そのまま周囲の物へ触れないよう注意しましょう。

手洗いは接触感染予防の基本

石けんと流水で丁寧に手を洗うイラスト

接触感染を防ぐためには、流水と石けんによる丁寧な手洗いが基本です。

特に次のような場面では手洗いを心がけましょう。

  • 外出から戻ったとき
  • 食事や調理の前
  • トイレを使用した後
  • 目や鼻、口などに触れた後
  • 感染している人の身の回りの物に触れた後

咽頭結膜熱について、JIHSでは消毒用アルコールの効果が弱いことが知られているとしています。そのため、アルコールだけに頼らず、石けんと流水による手洗いを基本とすることが大切です。

症状があるときの注意

発熱やのどの痛み、目の充血や目やになどの症状がみられる場合は、無理に学校や職場へ行かず、体調に応じて医療機関へ相談しましょう。

特に目の症状が強い場合には、眼科での診察が必要になることがあります。

咽頭結膜熱や流行性角結膜炎は学校保健安全法上の学校感染症にも定められているため、子どもが診断された場合は、医師や学校・園の指示を確認してください。

まとめ

アデノウイルスは、のどや目、呼吸器、消化器など、さまざまな症状を引き起こすことがあるウイルスです。

感染経路には飛沫感染と接触感染があり、特に手指やタオルなどを介した感染に注意が必要です。

日常生活では、石けんと流水による手洗いを基本に、タオルや目に触れる物を共用しないこと、目や鼻、口に触れた後には手を洗うことなどを心がけましょう。

出典・参考情報(官公庁・公的機関公表資料)

注記:本ページは、アデノウイルス感染症に関する一般的な情報提供を目的として、公的機関等の公表資料をもとに作成しています。掲載内容は診断や治療に代わるものではありません。発熱、のどの痛み、目の充血などの症状が強い場合や、症状が続く場合は、医療機関へご相談ください。