JFS/HACCP運用で見直したい手洗い衛生――“洗う→乾かす→清潔に保つ”の基本
食品工場での衛生管理では、手洗いが基本であることはよく知られています。ただ、実際の現場で安定して運用するには、「しっかり洗う」だけでなく、その後にどう乾かし、どう清潔な状態を保つかまで含めて考えることが大切です。
手洗いのルールを決めていても、備品が使いにくい、手洗い後に不必要な場所へ触れてしまう、手袋の前後が曖昧になっているといった状態では、衛生管理が現場で続きにくくなります。JFSやHACCPの運用を見直す際には、手順だけでなく、設備や導線もあわせて確認しておきたいところです。
JFS/HACCPで見直したいのは“洗う”だけではない

手洗い衛生というと、どうしても「手を洗うこと」だけに意識が向きがちです。しかし、食品工場での運用を考えると、手洗い後にきちんと乾かせること、必要な備品が常に使えること、手洗い後に再び汚れた場所へ触れにくいことまで含めて整っていることが重要です。
手洗い場に液体石けん、ペーパータオル、消毒剤などがそろっているか、使いたいときに不足していないか、手順がわかりやすく掲示されているかといった点は、日常の衛生管理の基本として確認しておきたい部分です。
手洗いの基本は“いつ洗うか”まで具体化すること

手洗いを定着させるには、「大事だから洗う」だけでは不十分です。作業開始前、用便後、手が汚れたとき、食品に直接触れる作業の前など、どの場面で手洗いを行うのかを具体的にしておくことが大切です。
さらに現場では、原材料に触れた後、清掃後、休憩から戻った後、手袋を着ける前など、自社の工程に合わせて手洗いのタイミングを落とし込んでおくと、判断がぶれにくくなります。誰が見ても同じ行動ができるように、手順を掲示したり、教育時に繰り返し伝えたりすることも有効です。
手洗い前後の確認も見落とせない
手洗いの手順だけでなく、その前後の確認も衛生管理では大切です。たとえば、爪が長すぎないか、指輪や腕時計などを着けたままになっていないか、手指に傷がないかといった点は、手洗いの質にも影響します。
また、手洗いでは指先、親指まわり、爪の周囲、手首などが洗い残しやすい部分になりやすいため、教育時には「どこを洗うか」まで具体的に伝えると、現場での再現性が高まりやすくなります。手洗い後にどこへ触れるのかまで意識すると、衛生保持の考え方も共有しやすくなります。
手袋は手洗いの代わりではない
手袋を使っていると安心感がありますが、手袋そのものが手洗いの代わりになるわけではありません。手袋を着ける前に手を清潔にしておくこと、汚れたまま使い続けないこと、必要な場面で交換することが重要です。
手袋を着けたまま別の設備や資材に触れてしまえば、汚れを広げる可能性もあります。だからこそ、「どの作業の前後で手袋を替えるか」「手袋の前後にどのように手指衛生を行うか」を、現場のルールとして整理しておく必要があります。
“清潔に保つ”を現場で続けやすくする工夫も大切

手洗い衛生を現場に定着させるには、教育だけでなく、使いやすい設備や導線も欠かせません。手洗い後に不必要なものへ触れずに作業へ入れるか、必要な備品が不足していないか、蛇口や手洗い設備が使いやすい状態かといった点も、日常運用のしやすさに関わります。
JFSやHACCPの運用では、決めたことを実施し、確認し、必要に応じて見直すことが基本になります。手洗いも同じで、「できる人だけが意識する」のではなく、「誰でも同じようにできる」環境になっているかを見直すことが大切です。
まとめ
JFS/HACCP運用で見直したい手洗い衛生は、「洗う」だけでなく、「乾かす」「清潔に保つ」まで含めて考えることがポイントです。手洗いのタイミングを明確にすること、必要な備品をそろえること、手袋の前後を含めた運用を決めること、手順を共有することは、どれも現場の再現性を高める基本になります。
また、手洗い後の衛生環境を安定して保つには、ルール整備に加えて設備面の見直しも大切です。弊社のNEWスーパーMは、食品工場のHACCP対応として、手洗い後の利用や入室管理システムとの連携、手指の除菌などに活用されています。手洗い後の衛生環境づくりを見直す際の一つの選択肢として、こうした設備面の工夫もあわせて検討したいところです。

