夏の駅・空港で見直したいトイレ衛生――ハンドドライヤーの清掃と乾燥環境

衛生関連情報

夏休みやお盆を含む夏の移動シーズンは、旅行や帰省によって駅や空港を利用する人が増えやすい時期です。列車や航空機の発車前、到着後などには、改札やロビーに近いトイレへ利用者が集中することもあります。

不特定多数の人が利用するトイレでは、便器や床の清掃だけでなく、ハンドソープ、洗面台、蛇口、手洗い後の乾燥設備まで含めて管理する必要があります。特にハンドドライヤーは、コロナ禍に使用停止が呼びかけられ、その後、使用可能とする方針へ見直された経緯があります。

しかし、現在使用できるようになったからといって、清掃や点検を行わずに使い続けてよい設備になったわけではありません。今回は、国や公的機関が公表している資料をもとに、駅・空港のトイレで見直したいハンドドライヤーの管理と、手洗い後の乾燥環境について紹介します。

駅・空港のトイレは特定の時間と場所に利用が集中する

国土交通省の「トイレの便器数に係る基準と適用のあり方に関するガイドライン」では、駅や空港は、トイレの行列が頻繁に発生する施設として挙げられています。

トイレの混雑は一日中続くとは限らず、通勤・通学時間、列車や航空機の発車前、到着後など、特定の時間帯に一時的に発生することがあります。また、空港の到着ロビー付近など、施設内の特定のトイレに利用者が集中する場合もあります。

  • 列車や航空機の発車前、到着後に利用が集中する
  • 改札、搭乗口、到着ロビーに近いトイレが混雑する
  • 旅行用の荷物を持った利用者が多い
  • 子ども連れ、高齢者、外国人旅行者など幅広い人が利用する
  • 洗面台や乾燥設備にも短時間で利用が集中する
  • 清掃や補充を行える時間が限られる場合がある

駅や空港では、施設全体の利用者数だけでなく、どのトイレが、どの時間帯に利用されているかを確認し、混雑に合わせて清掃・点検の体制を調整することが大切です。

コロナ禍にハンドドライヤーが使用停止とされた経緯

2020年当時の使用停止イメージ

2020年5月に公表された新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言では、共有トイレの感染対策として、ハンドドライヤーの使用を止め、ペーパータオルまたは個人用タオルを使用する方法が示されました。

当時は新型コロナウイルスに関する知見が限られており、手から落ちた水滴や空気の流れによる拡散への懸念から、予防的に使用を停止する施設が全国的に増えました。

その後、感染経路に関する知見や検証が蓄積され、ガイドラインの内容も見直されました。2023年に厚生労働省が公表した基本的感染対策の考え方では、共有部のトイレでハンドドライヤーを使用できることが示されています。

つまり、現在はハンドドライヤーそのものが一律に使用禁止とされているわけではありません。ただし、機器の構造や管理状態にかかわらず安全であるという意味でもありません。

使用できることと清掃しなくてよいことは別

公共トイレのハンドドライヤーを清掃点検する施設スタッフ

厚生労働科学研究事業として作成された「接客業務における新型コロナウイルス感染予防・対策マニュアル」では、ハンドドライヤー使用時に、空気中へエアロゾルが広がるとの報告が紹介されています。

同マニュアルでは、ハンドドライヤーの手挿入部、ドレンタンク、排水路、フィルターなどを十分に清掃・消毒できない場合には、使用を控えることが望ましいとしています。

これは、ハンドドライヤーが直ちに感染を引き起こすという意味ではありません。重要なのは、設備を設置した後も、構造に応じた清掃と点検を継続し、水分や汚れが残ったまま放置しないことです。

  • 手を差し込む部分や吹出口を清潔に保つ
  • 本体表面やセンサー部分の汚れを取り除く
  • ドレンタンクに水や汚れがたまっていないか確認する
  • 排水路に詰まりやぬめりがないか確認する
  • 吸気口やフィルターにほこりがたまっていないか確認する
  • 機器周辺の壁、洗面台、床への水はねを取り除く

機器によって構造や清掃方法は異なります。施設独自の判断だけで清掃方法を決めず、製品の取扱説明書やメーカーが示す方法を確認し、清掃箇所、頻度、担当者を明確にしましょう。

利用者の多い施設では日常の巡回確認も重要

定期清掃を行っている場合でも、利用者が多い時間帯には、短時間で水滴や汚れが付着することがあります。駅や空港では、通常の清掃予定に加えて、日常の巡回時にもハンドドライヤーと周辺の状態を確認することが大切です。

  • 本体や手挿入部に目立つ汚れがないか
  • 機器内部や周辺に水がたまっていないか
  • 異音、風量低下、センサー不良がないか
  • 洗面台や床へ水滴が広がっていないか
  • 清掃記録に確認日時と担当者を残しているか
  • 異常を発見した際の連絡先が決まっているか

利用頻度の低い場所と、発着時間に利用が集中する場所では、必要な確認頻度も異なります。トイレごとの利用状況を踏まえて、巡回や清掃の回数を調整しましょう。

手洗いから乾燥までを一つの衛生環境として考える

駅・空港のトイレで手洗い後に手を乾燥させる利用者

感染対策の基本として、石けんと流水による手洗いは現在も重要です。トイレ使用後に手を洗いやすい環境を整えるためには、ハンドソープや蛇口だけでなく、手洗い後に水分を取り除ける乾燥設備も必要です。

ハンドソープが切れている、蛇口が正常に動かない、乾燥設備が故障しているといった状態では、利用者が一連の手洗いを完了しにくくなります。

  • ハンドソープを切らさない
  • 蛇口や自動センサーの動作を確認する
  • 洗面台の石けん残りや水あかを取り除く
  • 手洗い方法を分かりやすく掲示する
  • 乾燥設備を利用しやすい位置に設置する
  • 手洗い場から出口までの動線を妨げない

混雑時に乾燥設備の前で利用者が滞留しないよう、洗面台との位置関係や台数、通路幅なども確認しましょう。

ペーパータオルにも補充と廃棄の管理が必要

駅・空港のトイレでペーパータオルを補充する清掃スタッフ

ペーパータオルは、手洗い後の水分を拭き取る方法の一つです。一方、駅や空港のように利用者が多い施設では、使用量に応じて購入、保管、運搬、補充、ごみ回収、廃棄の作業が発生します。

利用が集中する時間帯に補充が間に合わなければ、手を洗った利用者が乾燥できない場合があります。ごみ箱がいっぱいになると、使用済みペーパータオルが洗面台や床へ置かれ、清潔感や清掃作業にも影響します。

  • トイレごとの使用量を把握する
  • 混雑前に必要な量を補充する
  • 予備在庫の保管場所を決める
  • ごみ箱の容量と回収頻度を確認する
  • 使用済みペーパーの散乱を防ぐ
  • 購入費だけでなく補充・回収・廃棄作業も把握する

ペーパータオルとハンドドライヤーのどちらを採用する場合も、設備だけで判断せず、利用者数、清掃体制、設置場所、消耗品管理を含めて検討する必要があります。

ハンドドライヤーの更新時に確認したいポイント

ハンドドライヤーの使用を再開している施設や、既存設備の更新を検討している施設では、乾燥速度や本体価格だけでなく、日常の衛生管理を続けやすいかを確認しましょう。

  • 水分や汚れがたまりにくい構造か
  • 清掃が必要な部分へ手が届きやすいか
  • ドレンタンクやフィルターの管理方法が明確か
  • 飛散・拡散への配慮があるか
  • 除菌や消臭などの衛生機能を備えているか
  • 清掃方法をスタッフ間で共有しやすいか
  • 故障時の点検やサポートを受けられるか

「ハンドドライヤーだから危険」「ペーパータオルだから安心」と単純に分けるのではなく、機器の構造と日常の運用を合わせて評価することが重要です。

衛生環境の見直しにNEWスーパーMという選択肢

駅・空港などの公共施設に設置されたNEWスーパーM

NEWスーパーMは、駅や空港をはじめ、多くの人が利用する施設の手洗い後の乾燥に活用できるエアータオルです。

紫外線照射による除菌・消臭機能を備えており、従来型のエアータオルで懸念されやすい飛散・拡散への配慮や、洗面所周辺の衛生環境を見直したい施設で活用できます。

また、ペーパータオルなどの手拭き用消耗品を使わない運用へ切り替えることで、消耗品の購入や在庫保管だけでなく、館内への補充、ごみ回収、廃棄にかかる作業負担や人件費、ごみの削減にもつながります。

セントラルセブンサービスの導入事例には、日本航空、能登空港、山形空港、JR東日本など、交通関係の企業・施設も掲載されています。

導入時には、利用者数、洗面台との位置関係、電源、利用動線、清掃方法などを確認し、施設の運用に適した設置場所を検討しましょう。

夏の移動シーズン前に確認したいチェックポイント

夏休みやお盆に利用者が増える前に、駅・空港のトイレと乾燥設備を確認しましょう。

  • 利用が集中する時間帯と場所を把握しているか
  • ハンドソープや蛇口が正常に使用できるか
  • 手洗い後に十分乾燥できる設備があるか
  • ハンドドライヤーの清掃箇所を把握しているか
  • 取扱説明書に沿った清掃方法を共有しているか
  • ドレンタンク、排水路、フィルターなどを確認しているか
  • 本体や周辺に水滴、ほこり、汚れが残っていないか
  • ペーパータオルの補充切れを防げているか
  • ごみ箱のあふれや使用済みペーパーの散乱がないか
  • 点検記録と異常時の連絡体制を整えているか

設備を設置するだけで終わらせず、清掃、点検、補充、ごみ回収までを一つの運用として整理することが、利用者の多いトイレの衛生環境改善につながります。

まとめ

コロナ禍当初、ハンドドライヤーは政府の感染対策で使用停止とされていました。その後、知見や検証結果を踏まえて使用可能とする方針へ見直されましたが、清掃や点検を行わずに使用してよいという意味ではありません。

厚生労働科学研究事業によるマニュアルでも、手挿入部、ドレンタンク、排水路、フィルターなどを十分に清掃・消毒できない場合は、使用を控えることが望ましいとされています。

駅や空港のように不特定多数の人が利用する施設では、混雑する時間帯や場所に合わせて、ハンドソープ、洗面台、乾燥設備、機器周辺を点検しましょう。ペーパータオルを使用する場合は、補充、ごみ回収、廃棄まで含めた管理が必要です。

紫外線照射による除菌・消臭機能や、飛散・拡散への配慮を備えたNEWスーパーMを活用することで、手洗い後の乾燥環境を整えながら、ペーパータオルの消耗品費、補充・回収・廃棄作業、ごみの削減にもつなげられます。利用者が増える夏の移動シーズンを迎える前に、トイレの乾燥設備を衛生機能と管理方法の両面から見直してみてはいかがでしょうか。

出典・参考情報(官公庁・自治体公表資料)

注記:本ページは、施設・事業所における衛生管理の一般的な参考情報として、公的機関等の公表資料をもとに作成しています。掲載内容は、個別施設における衛生状態や設備の適合性・効果を保証するものではありません。設備や衛生用品の設置・清掃・点検・運用にあたっては、製品の取扱説明書、関係法令、自治体や施設ごとの基準を確認し、必要に応じてメーカーや専門事業者へご相談ください。

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