インフルエンザ患者の増加続く――学級閉鎖も増加、2026年10月最新状況と感染対策

ウイルス関連情報, 衛生関連情報

2026年秋、全国でインフルエンザ患者の増加が続いています。厚生労働省が9月29日に公表した第38週(9月14日~20日)の全国定点当たり報告数は8.48となり、第36週の3.29、第37週の5.54からさらに増加しました。

全国の報告数も第38週は31,428人となり、昨年同期の3,073人を大きく上回っています。学校では休校や学年閉鎖、学級閉鎖の報告も増えており、新学期以降、人が集まる場で感染が広がっている状況がうかがえます。

例年の冬本番より早い時期から流行が拡大しているため、家庭だけでなく、学校、職場、高齢者施設、商業施設などでも、手洗い・咳エチケット・換気といった基本的な感染対策を改めて確認しておきましょう。

全国の定点当たり報告数は8.48まで上昇

厚生労働省によると、第38週のインフルエンザ定点当たり報告数は全国で8.48、報告数は31,428人でした。

  • 第36週(8月31日~9月6日):3.29
  • 第37週(9月7日~13日):5.54
  • 第38週(9月14日~20日):8.48

第36週から第38週までの2週間で、定点当たり報告数は約2.6倍となっています。

2026年インフルエンザ定点当たり報告数の推移(全国・第36週~第38週)

※厚生労働省「インフルエンザの発生状況について」をもとに作成。第36週3.29、第37週5.54、第38週8.48。

前年同期の全国定点当たり報告数は0.80であり、2026年は秋の早い段階から報告数が多い状況となっています。

地域によって流行状況に差も

第38週では、沖縄県が26.27と最も高く、東京都15.21、愛知県15.12、神奈川県14.71、千葉県14.36、埼玉県13.56、茨城県13.47など、関東や東海を中心に高い地域がみられます。

静岡県も第36週2.06、第37週4.70、第38週8.94と増加しています。

一方で、地域によって報告数や増加の程度には差があります。全国の数値だけで判断せず、居住地域や勤務先、旅行先などの自治体が公表している感染症情報も確認しましょう。

学校では学級閉鎖などの報告も増加

インフルエンザの流行に注意したい学校の教室

患者数の増加とともに、学校などでのインフルエンザ様疾患による休業措置も増えています。

厚生労働省の第38週の集計では、休校19、学年閉鎖171、学級閉鎖870が報告され、合計は1,060施設となりました。

  • 第36週:休校5、学年閉鎖34、学級閉鎖128
  • 第37週:休校11、学年閉鎖130、学級閉鎖528
  • 第38週:休校19、学年閉鎖171、学級閉鎖870

学校では多くの児童・生徒が同じ教室や共用スペースで長時間過ごします。家庭でも、子どもに発熱や咳、強いだるさなどの症状がみられる場合には、無理に登校させず体調を確認することが大切です。

職場や人が集まる施設でも基本対策を

インフルエンザは学校だけでなく、職場、商業施設、公共施設、高齢者施設など、人が集まる場所でも注意が必要です。

厚生労働省では、インフルエンザをはじめとする急性呼吸器感染症の予防として、手洗いやマスクの着用を含む咳エチケットなどを基本的な感染対策として案内しています。

  • 外出後や共用物に触れた後は手を洗う
  • 咳やくしゃみがある場合は咳エチケットを心がける
  • 室内は状況に応じてこまめに換気する
  • 体調が悪い場合は無理に出勤・外出しない
  • 高齢者など重症化リスクの高い人と接する場面では特に配慮する

施設では、利用者だけでなく従業員が手洗いしやすい環境を整え、日常的に基本対策を続けられるようにすることも重要です。

咳やくしゃみがあるときは「咳エチケット」

咳やくしゃみをするときに咳エチケットを行う様子

インフルエンザなどの呼吸器感染症では、咳やくしゃみによる飛沫が感染拡大につながることがあります。

咳やくしゃみをするときは、マスク、ティッシュ・ハンカチ、上着の内側や袖などで口と鼻を覆う「咳エチケット」を心がけましょう。

手のひらで直接咳やくしゃみを受け止めると、その手で触れたドアノブや手すりなどにウイルスが付着し、周囲へ広がる可能性があります。

咳やくしゃみの後や鼻をかんだ後には、手洗いを行うことも大切です。

手洗いと手指衛生を見直す

流水と石けんによる手洗いは、手指などに付着した病原体を物理的に取り除くための基本的な感染対策です。

特に、外出から戻ったとき、食事の前、トイレの後、多くの人が触れる共用物に触れた後などは、丁寧な手洗いを心がけましょう。

食品工場、医療・介護施設、オフィス、公共施設などでは、手洗い場所の使いやすさや、手洗い後に衛生的に手指を乾燥できる環境についても確認しておくとよいでしょう。

換気と室内環境にも注意

気温が下がる秋から冬は、窓を閉めたまま過ごす時間が長くなりやすくなります。

厚生労働省では、インフルエンザの予防・対策として、こまめな換気や適度な湿度の保持なども挙げています。

乾燥しやすい室内では、換気を行いながら、必要に応じて加湿器などを利用し、適切な室内環境を保つことも意識しましょう。

症状があるときは無理をしない

インフルエンザでは、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、強いだるさなどが比較的急に現れ、咳や鼻水などを伴うことがあります。

症状がある場合は無理に学校や職場へ行かず、休養を取りましょう。高齢者、乳幼児、基礎疾患のある方などは重症化することもあるため、体調に不安がある場合は医療機関へ相談してください。

また、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなど重い症状がみられる場合は、速やかに医療機関への受診や救急対応を検討してください。

手洗い後の乾燥まで含めて衛生環境を整える

施設の手洗い場に設置されたNEWスーパーM

人が多く利用する施設では、感染対策を一時的に行うだけでなく、日常的に続けやすい環境をつくることも大切です。

石けんと流水による手洗いを基本に、手洗い設備、手指を乾燥させる設備、共用スペースの清掃などを施設の利用状況に合わせて見直しましょう。

NEWスーパーMは、手洗い後の乾燥や手指衛生環境の整備に活用できるエアータオルです。紫外線照射による除菌・消臭機能を備えており、さまざまな施設で利用されています。

インフルエンザ対策では、特定の設備だけに頼るのではなく、手洗い、咳エチケット、換気、体調管理、清掃などの基本対策を組み合わせて取り組むことが重要です。

現在の「注意報・警報」と数値の見方について

インフルエンザの定点当たり報告数について、過去には「注意報」「警報」の基準が広く用いられてきました。

しかし、2025年第15週からインフルエンザの報告定点数が変更され、国立健康危機管理研究機構(JIHS)は、保健所ごとのデータの連続性が担保されないことから、インフルエンザレベルマップおよび警報・注意報システムの情報提供を当面停止しています。

そのため、現在の全国定点当たり報告数8.48を、過去の注意報・警報基準と単純に比較して評価することは避け、最新の公表データや地域の発生状況を確認することが大切です。

まとめ

2026年第38週のインフルエンザ全国定点当たり報告数は8.48となり、第36週3.29、第37週5.54から増加が続いています。

学校でも休校や学年閉鎖、学級閉鎖の報告が増えており、秋の早い時期から感染拡大への注意が必要な状況です。

家庭、学校、職場、施設では、石けんと流水による手洗い、咳エチケット、換気、体調管理など基本的な対策を改めて確認し、これから迎える秋冬の流行期に備えましょう。

出典・参考情報(官公庁・公的機関公表資料)

注記:本ページは、インフルエンザに関する一般的な情報提供を目的として、公的機関等の公表資料をもとに作成しています。掲載内容は個別の症状の診断や治療に代わるものではありません。症状が強い場合や体調に不安がある場合は医療機関へご相談ください。施設・事業所における感染対策については、関係法令、自治体や各施設の基準等もあわせてご確認ください。

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