ノロウイルスは秋冬に注意――2026年シーズン前に見直したい手洗いと食中毒対策

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秋から冬にかけて注意したい感染症・食中毒の一つが、ノロウイルスです。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は一年を通して発生しますが、特に冬季に多くみられます。

厚生労働省は2026年9月17日、ノロウイルス食中毒の予防対策リーフレットを更新し、冬の流行期を前に改めて注意を呼びかけています。

ノロウイルスというと「生のカキなどの二枚貝」をイメージする人も多いかもしれません。しかし、実際の食中毒では、感染した調理者の手などを介して食品が汚染され、多くの人へ広がるケースにも注意が必要です。

冬本番を迎える前に、家庭だけでなく、食品工場、飲食店、給食施設、高齢者施設などでも、手洗いや食品衛生、施設内の衛生管理を見直しておきましょう。

2026年秋冬、ノロウイルス対策を早めに見直す

厚生労働省によると、年間の食中毒患者数の約6割はノロウイルスによるもので、そのうち約7割が12月から3月に発生しています。

また、ノロウイルスは少量でも感染することがあり、一度食品や施設内へ持ち込まれると、集団発生につながる場合があります。

本格的な流行期になってから対応するのではなく、秋のうちに手洗い設備や清掃方法、食品を扱う従業員の健康管理などを確認しておくことが大切です。

ノロウイルス食中毒は「二枚貝だけ」ではない

調理者の手指から食品へノロウイルスが広がるイメージ

ノロウイルスは、ウイルスに汚染された食品を食べることによって食中毒を起こします。

カキなどの二枚貝が原因となるケースが知られていますが、厚生労働省では、ノロウイルスによる食中毒は主に調理者を通じた食品の汚染によって発生すると案内しています。

感染した人がトイレを使用した後などに十分な手洗いを行わず、そのまま食品を調理したり盛り付けたりすると、手指を介して食品へウイルスが付着する可能性があります。

そのため、食品そのものの管理だけでなく、「食品を扱う人」の手指衛生や健康管理も重要です。

予防の基本は石けんと流水による手洗い

石けんと流水で丁寧に手を洗う様子

ノロウイルス対策で特に重要なのが、石けんと流水による丁寧な手洗いです。

厚生労働省では、手洗いを手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法としています。

特に次のようなタイミングでは、しっかりと手を洗いましょう。

  • 調理を始める前
  • 料理を盛り付ける前
  • 食事の前
  • トイレを使用した後
  • 嘔吐物や便を処理した後
  • おむつ交換をした後
  • 作業内容が変わるとき

石けん自体がノロウイルスを直接失活させるわけではありませんが、手の脂肪や汚れを落とすことで、ウイルスを手指から洗い流しやすくします。

また、消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水による手洗いの代わりにはなりません。手洗いを基本とし、必要に応じて補助的に使用することが大切です。

症状がある人は食品を直接扱わない

ノロウイルスに感染すると、おう吐、下痢、腹痛などの症状がみられることがあります。

食品工場や飲食店などでは、従業員に下痢やおう吐などの症状がある場合、食品を直接扱う作業を行わせないことが重要です。

また、症状が治まった後も、しばらくの間は便中にウイルスが排出される場合があります。そのため、体調が回復した直後も食品の取り扱いには注意が必要です。

事業所では、従業員が体調不良を申告しやすい体制を整え、作業開始前に健康状態を確認することも食中毒予防につながります。

調理器具や厨房内へウイルスを広げない

手指だけでなく、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオルなどを介してウイルスが広がる可能性もあります。

調理器具は使用後に十分洗浄し、必要に応じて加熱や適切な方法で消毒します。

  • 調理器具を使用後に十分洗浄する
  • 清潔な器具と使用済みの器具を分ける
  • ふきんやタオルを清潔に管理する
  • トイレから厨房へ汚染を持ち込まない
  • 手洗い後に汚れた場所へ触れないよう動線を確認する

特に食品を大量に扱う施設では、一人の手指や調理器具から多くの食品へ汚染が広がる可能性があります。

加熱が必要な食品は中心部まで十分に

加熱処理は、ノロウイルスを失活させるための有効な方法の一つです。

厚生労働省では、二枚貝などノロウイルスによる汚染のおそれがある食品について、中心部を85~90℃で90秒間以上加熱することを目安としています。

表面だけではなく、食品の中心部まで十分に加熱することが重要です。

家庭や施設で注意したい嘔吐物の処理

手袋とマスクを着用して汚染箇所を清掃する様子

ノロウイルスに感染した人の嘔吐物や便には、多量のウイルスが含まれている場合があります。

処理するときは、使い捨ての手袋やマスクなどを使用し、周囲へ広げないよう静かに処理します。

嘔吐物などが乾燥すると、ウイルスを含む細かな粒子が周囲へ広がる可能性があるため、乾燥する前に速やかに処理することが重要です。

  • 手袋やマスクを着用する
  • ペーパータオルなどで静かに拭き取る
  • 汚染された場所を適切に消毒する
  • 使用した物は袋へ入れて密閉して廃棄する
  • 処理後は十分に換気する
  • 最後に石けんと流水で手を洗う

塩素系の消毒剤などを使用する場合は、製品表示や厚生労働省などの公的な手順を確認し、用途や濃度を守って使用してください。

食品工場・飲食店・施設では「手洗いしやすい環境」を整える

食品工場、飲食店、給食施設、高齢者施設などでは、従業員一人ひとりが正しい手洗いを行うことに加えて、衛生管理を続けやすい環境を整えることも大切です。

例えば、作業動線上の適切な場所に手洗い設備を設け、石けん、手指を乾燥させる設備などを利用しやすい状態にしておくことが重要です。

また、トイレから食品取扱区域へ戻る際や、作業内容が変わる際など、必要なタイミングで確実に手洗いできるよう、作業手順を明確にしておきましょう。

手洗い後の乾燥まで含めて衛生環境を見直す

食品工場の手洗い場に設置されたNEWスーパーM

手洗い後は、清潔な状態を保ちながら手指を十分に乾燥させることも大切です。

施設では、利用人数や設置環境、日常の清掃・点検方法などを考慮しながら、手洗いから乾燥までを行いやすい環境を整えておきましょう。

NEWスーパーMは、手洗い後の乾燥や手指衛生環境の整備に活用できるエアータオルです。紫外線照射による除菌・消臭機能を備えており、食品工場をはじめ、衛生管理が求められるさまざまな施設で利用されています。

ノロウイルス対策では石けんと流水による適切な手洗いを基本とし、設備だけに頼るのではなく、健康管理、食品衛生、清掃・消毒など複数の対策を組み合わせることが重要です。

まとめ

ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎は一年を通して発生しますが、特に冬季に注意が必要です。

ノロウイルス食中毒は二枚貝だけが原因ではなく、調理者の手指を介して食品が汚染されるケースにも注意しなければなりません。

石けんと流水による丁寧な手洗いを基本に、食品を扱う人の健康管理、調理器具の洗浄・消毒、食品の十分な加熱、嘔吐物の適切な処理などを組み合わせて、秋のうちから冬の流行期に備えましょう。

出典・参考情報(官公庁・公的機関公表資料)
  • 厚生労働省「食中毒の原因(細菌以外)」
  • 厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
  • 厚生労働省「感染性胃腸炎(特にノロウイルス)」
  • 厚生労働省「ノロウイルスによる食中毒の予防について」
  • 農林水産省「冬に食中毒?ノロウイルスの予防と対処法」

注記:本ページは、ノロウイルスによる食中毒・感染性胃腸炎の予防に関する一般的な参考情報として、公的機関等の公表資料をもとに作成しています。掲載内容は個別の症状の診断や治療に代わるものではありません。おう吐や下痢が続く場合、十分に水分を取れない場合、脱水症状がみられる場合などは医療機関へご相談ください。施設・事業所における衛生管理については、関係法令、自治体の指導、各施設の衛生管理基準等もあわせて確認してください。

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