インフルエンザが再び増加――全国44都道府県で前週を上回る、施設で改めて確認したい感染対策

ウイルス関連情報, 衛生関連情報

2026年秋、例年より早い時期から流行しているインフルエンザが、再び増加しています。

国立健康危機管理研究機構(JIHS)が公表した2026年第40週(9月28日~10月4日)の全国の定点当たり報告数は11.35となり、前週の7.17から増加しました。患者報告数も42,320人となり、全国47都道府県のうち44都道府県で前週を上回っています。

第39週には一度減少していましたが、第40週には再び増加へ転じました。インフルエンザによる入院報告や、学校での休校・学年閉鎖・学級閉鎖の報告も増えています。

冬本番を迎える前の段階から感染が広がっているため、家庭だけでなく、学校、職場、高齢者施設、商業施設などでも、地域の発生状況を確認しながら基本的な感染対策を継続することが大切です。

第40週は定点当たり11.35へ再び増加

2026年第36週から第40週までのインフルエンザ定点当たり報告数の推移

2026年の全国のインフルエンザ定点当たり報告数は、第36週以降、次のように推移しています。

  • 第36週(8月31日~9月6日):3.29
  • 第37週(9月7日~13日):5.54
  • 第38週(9月14日~20日):8.48
  • 第39週(9月21日~27日):7.17
  • 第40週(9月28日~10月4日):11.35

第38週まで増加が続いた後、第39週には7.17まで低下しましたが、第40週は11.35へ再び上昇しています。

患者報告数も第39週の26,678人から、第40週は42,320人へ増加しました。

一週間の数値だけで今後の流行規模を判断することはできませんが、一度の減少だけで「流行が落ち着いた」と判断せず、継続して発生状況を確認する必要があります。

全国44都道府県で前週を上回る

第40週は、全国47都道府県のうち44都道府県で前週より報告数が増加しました。

定点当たり報告数が高かった地域は、沖縄県37.07、埼玉県19.66、千葉県18.72、神奈川県18.51、東京都15.87などとなっています。

そのほか、茨城県13.60、長崎県12.84、愛知県11.88、石川県11.74、静岡県11.69、群馬県11.13など、各地で報告されています。

流行状況には地域差があるため、全国の数字だけを見るのではなく、施設所在地や従業員・利用者が生活する地域の自治体が公表する感染症情報もあわせて確認しましょう。

入院報告数も999例に増加

基幹定点医療機関から報告されたインフルエンザによる入院報告数は、第40週に999例となり、前週の861例から増加しました。

年齢別では80歳以上が320例、70代が167例となっているほか、1~4歳122例、5~9歳138例など、幅広い年代で入院が報告されています。

インフルエンザは多くの場合、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身のだるさ、咳、鼻水などの症状がみられますが、高齢者や乳幼児、基礎疾患のある方などでは重症化することがあります。

こうした方が多く利用する施設では、施設内へ感染症を持ち込まないための体調管理と、発生した場合に広げないための対応をあらかじめ確認しておくことが重要です。

学校では休校・学年閉鎖・学級閉鎖も増加

インフルエンザ流行時の学校施設のイメージ

インフルエンザ様疾患による学校等の休業措置も増えています。

厚生労働省の「インフルエンザ様疾患発生報告」では、第39週に休校・学年閉鎖・学級閉鎖が報告された施設数は157施設でした。

第40週には937施設となり、内訳は休校8、学年閉鎖171、学級閉鎖758でした。

この調査は、保育所、幼稚園、小学校、中学校、高等学校で休校、学年閉鎖、学級閉鎖が行われた場合に報告されるものです。

学校での報告増加は、家庭や職場、地域の施設にとっても無関係ではありません。家族を通じた接触なども考慮し、従業員や利用者の体調変化を把握しやすい環境を整えておきましょう。

「注意報・警報」の過去の基準とは単純比較しない

定点当たり報告数が11.35となったことで、過去の「注意報」などの基準を思い浮かべる方もいるかもしれません。

しかし、2025年第15週からインフルエンザの報告定点数が変更されており、国立健康危機管理研究機構では、保健所ごとのデータの連続性が担保されないことから、インフルエンザレベルマップと警報・注意報システムの情報提供を当面停止しています。

そのため、現在の定点当たり報告数を以前の警報・注意報基準と単純に比較して、「注意報レベルに達した」などと判断することは適切ではありません。

数値の推移、地域の発生状況、学校等での休業措置、入院報告など、複数の情報を確認することが大切です。

施設で今、改めて確認したいこと

厚生労働省は、インフルエンザを含む急性呼吸器感染症(ARI)の予防として、手洗い、咳エチケット、換気などの基本的な対策を挙げています。

施設や事業所では、流行状況が変化したからといって特別な対策だけを急に増やすのではなく、日常的に行っている基本対策がきちんと続けられているかを確認しましょう。

  • 従業員や利用者の体調変化を把握できるようにする
  • 発熱や咳などがある場合の連絡・対応方法を共有する
  • 体調不良時に無理に出勤・登校・施設利用を続けないようにする
  • 咳やくしゃみがある場合は咳エチケットを心がける
  • 手洗い場の石けんや設備を利用できる状態に保つ
  • 手洗い後に十分に手指を乾燥できる環境を整える
  • 換気設備や換気方法を改めて確認する
  • 地域の感染症発生状況を定期的に確認する

体調不良を無理に押して出勤・登校しない

厚生労働省は、急性呼吸器感染症の症状がある場合には、人混みへの外出を控え、無理をして学校や職場などに行かないよう案内しています。

発熱、咳、強いだるさなどがあるときに無理に出勤を続けると、本人の体調悪化だけでなく、周囲へ感染を広げる可能性もあります。

施設や事業所では、体調不良を早めに申告できるようにし、「誰へ連絡するのか」「勤務や利用をどう判断するのか」といった基本的なルールを改めて共有しておきましょう。

咳やくしゃみが続いている場合には、不織布製マスクを着用する、ティッシュや腕の内側で口と鼻を覆うなど、周囲への飛沫を減らす咳エチケットも大切です。

手洗い環境を「使える状態」に保つ

流水と石けんによる手洗いは、手指に付着した病原体を物理的に除去する基本的な感染対策です。

施設では「手洗い場がある」だけではなく、日常的に使いやすい状態になっているかを確認しましょう。

  • 石けんやハンドソープが補充されているか
  • 蛇口や自動水栓が正常に使用できるか
  • 手洗い場が清潔に保たれているか
  • 手洗い後に十分に手指を乾燥できるか
  • 利用者が必要なタイミングで手洗いできるか

利用人数が多い施設では、消耗品の補充頻度や設備の清掃・点検方法なども含めて確認しておくことが大切です。

換気設備も冬本番の前に確認

秋冬に室温へ配慮しながら換気を行う施設のイメージ

厚生労働省は、季節を問わず十分な換気が重要としています。

常時換気設備が設置されている施設では、設備が正常に稼働しているか、吸気口が家具などでふさがれていないか、フィルターが汚れていないかなどを確認しましょう。

窓を利用する場合には、施設の構造に応じて複数の窓や扉を利用し、空気の流れをつくる方法があります。

これから気温が下がると、窓開けによる室温低下も考慮する必要があります。暖房を利用しながら換気するなど、施設の利用者に負担をかけず継続できる方法を準備しておきましょう。

手洗い後の乾燥まで含めて衛生環境を確認

館内の共用スペースに設置されたNEWスーパーM

手指衛生では、石けんと流水による手洗いとともに、洗った後に十分に乾燥できる環境を整えておくことも大切です。

NEWスーパーMは、手洗い後の乾燥に利用できるエアータオルです。安全紫外線照射と131℃熱風を採用し、紫外線による除菌・消臭機能を備えています。

また、ドレンタンクの清掃やフィルター交換を必要としないため、多くの人が利用する施設で衛生設備の日常管理を見直す際の選択肢としても活用できます。

ただし、一つの設備だけでインフルエンザの感染を防ぐことはできません。体調管理、手洗い、咳エチケット、換気など、複数の基本対策を組み合わせて続けることが重要です。

まとめ

2026年第40週の全国のインフルエンザ定点当たり報告数は11.35となり、前週の7.17から再び増加しました。

全国47都道府県のうち44都道府県で前週を上回り、入院報告数も999例へ増加しています。学校等では、休校・学年閉鎖・学級閉鎖が報告された施設数も第39週の157施設から第40週は937施設へ増えました。

一度数値が低下しても、そのまま流行が収束するとは限りません。今後も最新の発生状況を確認しながら、施設では体調管理、手洗い、咳エチケット、換気など、日常的に続けられる基本的な感染対策を改めて確認しましょう。

出典・参考情報(官公庁・公的機関公表資料)

注記:本ページは、インフルエンザおよび施設・事業所における感染対策に関する一般的な情報提供を目的として、公的機関等の公表資料をもとに作成しています。公表されている患者数、入院報告数等はサーベイランスによる報告値であり、後日修正される場合があります。掲載内容は個別の症状の診断や治療に代わるものではありません。症状が強い場合や体調に不安がある場合は医療機関へご相談ください。施設・事業所における感染対策については、関係法令、自治体や各施設の基準等もあわせてご確認ください。

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