高齢者施設・病院で見直したい共用部の衛生管理――手洗い後の再汚染を防ぐには

衛生関連情報

高齢者施設や病院では、手洗いや手指消毒の徹底が重要であることは広く知られていますが、実際の現場では「手洗い後の再汚染」をどう防ぐかも大切な課題です。せっかく手を清潔にしても、その直後に共用タオルや汚れた水栓、頻繁に触れられる共用部に触れてしまえば、衛生状態を保ちにくくなります。

特に高齢者施設や病院は、利用者や患者、職員、来訪者など多くの人が同じ設備を使う場所です。だからこそ、手洗いそのものだけでなく、タオルの使い方、水栓の扱い方、手袋の運用、手すりやドアノブなど共用部の清掃まで含めて見直しておきたいところです。

共用部対策でまず見直したいのは“手洗い後”

ペーパータオルが備えられた手洗い場

厚生労働省の高齢者介護施設向け感染対策マニュアルでは、手洗い後は使い捨てのペーパータオルを使用し、共用の布タオルは使わないことが示されています。また、水道栓は自動水栓や手首・肘などで簡単に操作できるものが望ましく、やむを得ず手で操作する場合は、手を拭いたペーパータオルを使って閉めることが案内されています。

つまり、手洗いは「洗って終わり」ではなく、乾かし方や最後に何へ触れるかまで含めて考える必要があります。高齢者施設や病院では、職員だけでなく利用者や患者も共用の洗面設備を使うことがあるため、誰が使っても衛生を保ちやすい環境になっているかを確認することが重要です。

共用タオルや不適切な手袋運用は再汚染の原因に

厚生労働省の介護現場向け手引きでは、共用タオルの使用は避け、ペーパータオルの使用が望ましいとされています。おしぼりや布タオルを共用する運用は、管理が不十分になると細菌の増殖や拡大につながるおそれがあるためです。

手洗い後に手袋を着用する作業者

また、手袋についても「着けているから安心」ではありません。介護現場向け手引きでは、血液や体液、嘔吐物、排泄物などに触れる可能性がある場合に手袋を着用し、使用後は速やかに捨て、汚れた手袋で周辺を触らないこと、手袋を脱いだ後には手指衛生を行うことが示されています。医療機関向けの資料でも、使い捨て手袋の前後に手洗いや手指消毒を行うこと、汚染した手袋でベッドやドアノブに触れないことが重要とされています。

つまり、共用部の衛生管理では、手袋そのものよりも「どの場面で着け、どの場面で外し、その後どう手指衛生を行うか」が大切です。ルールが曖昧なままだと、かえって再汚染の原因になりかねません。

手すり・ドアノブ・トイレまわりは共用部の重点ポイント

共用部の手すりやドアノブを清掃するイメージ

厚生労働省の介護現場向け手引きでは、接触が多い共用設備として、手すり、ドアノブ、パソコンのキーボードなどの消毒を行うことが示されています。また、高齢者介護施設向け感染対策マニュアルでは、トイレのドアノブや取手は消毒用エタノールで清拭すること、共用部分の床やトイレ、浴室などは特に丁寧に清掃することが示されています。

施設や病院では、共用部に触れる人が多く、無意識に手が触れる箇所も少なくありません。特に、手すり、ドアノブ、スイッチ、テーブル、洗面所まわり、トイレの取手などは、日常的な清掃の中でも重点的に見直したい場所です。

また、血液、分泌物、嘔吐物、排泄物などが床や設備に付着した場合は、通常の清掃だけでなく、手袋を着用した上で適切な消毒と湿式清掃、乾燥まで行うことが求められます。普段の清掃と、汚染時の対応を分けて考えることも大切です。

大切なのは“誰が使っても衛生を保ちやすいこと”

高齢者施設や病院では、すべての人が同じレベルで衛生管理を意識できるとは限りません。だからこそ、個人の注意力だけに頼るのではなく、ペーパータオルを常備する、手洗い後に触れる場所を減らす、共用部の清掃箇所を明確にする、手袋の交換ルールを決めるといった、環境と運用の両面から整えておくことが重要です。

共用部の衛生管理は、特別な感染症が流行したときだけ強化するものではなく、日常の安心につながる基本です。平常時から見直しておくことで、感染症流行時にも慌てず対応しやすくなります。

まとめ

医療関連の設置事例

高齢者施設や病院での感染対策では、手洗いや手指消毒の徹底に加えて、手洗い後の再汚染を防ぐ視点が欠かせません。共用タオルを避けること、水栓の扱いに注意すること、手袋の使い方を見直すこと、手すりやドアノブなど共用部を丁寧に清掃することは、どれも基本ですが重要なポイントです。

共用部の衛生管理は、利用者や患者、職員の安心につながる日常の積み重ねです。この機会に、手洗い場や共用スペースの運用が、再汚染を防ぐ形になっているかを改めて確認してみてはいかがでしょうか。

弊社のNEWスーパーMは、病院・老人ホームを含むさまざまな現場で活用されており、手指衛生環境の改善策のひとつとしてご検討いただけます。飲食店向けの記事と同様に、介護施設や病院の手洗いスペース、共用部まわりなど、衛生管理が重要な場所での運用についてもご相談いただけます。

出典・参考情報(官公庁・自治体公表資料)

注記:本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断や治療に代わるものではありません。検査や薬の使用、保険適用の可否などについては、必ず医師や専門機関にご相談ください。体調不良や緊急の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

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