山の恵みシーズン到来。キノコなど「野の食材」は必ず専門家に確認を

食中毒

秋から初冬にかけて、山や里で採れるキノコや山菜が身近になります。一方で、見た目や経験だけの自己判断による食中毒が毎年発生しています。まずは「食用と確実に判断できないものは、採らない・食べない・売らない・人にあげない」を徹底し、家庭や職場に持ち込む前に、必ず自治体・保健所・有資格のきのこアドバイザー等の専門家に確認してください。

なぜ危険なのか

  • 食用と有毒のキノコは非常によく似るものが多く、素人の目視や写真だけでは見分けが困難です。
  • 「加熱や乾燥で毒が抜ける」「虫食いがあるから安全」といった俗説は誤りです。
  • 直売所やフリマ等で出所が不確かな野生品を購入すると、誤同定のまま流通している場合があります。

初心者が知っておきたい主な原因キノコ

以下は詳しい同定解説ではありません。少しでも不安がある場合は、必ず専門家に相談してください。

ツキヨタケ

ツキヨタケ

ツキヨタケ

  • 特徴:広葉樹の枯れ木などに重なって群生。半円形の傘で大きめ。付け根付近の肉に黒っぽいシミが見られることがある。暗所でひだが淡く発光する場合がある。
  • 間違えやすい:ヒラタケ、ムキタケ、シイタケなど身近な食用キノコ。
  • 主な症状:吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など。

クサウラベニタケ

クサウラベニタケ

クサウラベニタケ

  • 特徴:雑木林などに散在~群生。ねずみ色~淡褐色で、ややロウ様の質感。柄がもろい個体もある。
  • 間違えやすい:ウラベニホテイシメジ、ハタケシメジ、ホンシメジなどの食用種。
  • 主な症状:食後比較的早い時間に、吐き気、嘔吐、下痢、発汗など。

テングタケ・イボテングタケ

テングタケ

テングタケ

  • 特徴(テングタケ):茶~灰褐色の傘に白いイボが散在。柄の基部が球根状で「つぼ」の名残がある。イボは脱落して目立たないこともある。
  • 特徴(イボテングタケ):針葉樹林などに発生することが多い。
  • 主な症状:めまい、錯乱、運動失調、幻覚などの神経症状のほか、胃腸症状。

そのほか重篤例に注意

  • ドクツルタケ、オオシロカラカサタケなど、少量でも重篤化・致死例のある種類が存在します。「昔から食べているから安全」といった言い伝えに依存せず、確実な確認が必要です。

家庭・職場での基本ルール

採らない・食べない・配らない

採らない・食べない・配らない

  • 素人採取は食べない:1つでも不明なものが混じったら、まとめて食べない判断を。
  • 混ぜない・分けない:不明品を持ち帰らない、調理で混ぜない、知人に配らない。
  • 出所不明を買わない:食用と確実に判断できない野生品は購入しない。

体調に異変を感じたら

  • 食べるのを直ちに中止し、早めに医療機関へ相談・受診してください。
  • 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、意識障害など症状は種類によりさまざまです。急変時は119へ。

相談窓口と参考リンク

注記:本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断や治療に代わるものではありません。検査や薬の使用、保険適用の可否などについては、必ず医師や専門機関にご相談ください。体調不良や緊急の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

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